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IT産業調査室

IT/ICT産業の業績や就労環境などを調査し分析しています

ICT関連株式公開3月期決算354社の2018年9月中間期業績 2期連続比較篇

新規上場は12社・売上高は107億円

 2018年上半期の新規上場は、ヴィスコ・テクノロジーズ、アイ・ピー・エス、エーアイ、SIG、ビープラッツ、プロパティデータバンク、ライトアップ、ZUU、ログリー、ブティックス、イオレ、ジーニーの計12社だった。

 設立年を調べると1991年が2社、2000年代前半が5社、2000年代後半が3社、2010年代が2社だった。設立年の平均は2003年となり、株式上場まで15年を要している計算となる。

 このうち2017年9月中間期業績を発表しているイオレ、ジーニーの2社を除く10社の数値を集計すると、就業員数は連結ベースが1,109人、単独・個別ベースが824人、平均年齢は36.1歳、平均年収は510.25万円だった。

 2018年9月中間期業績は、売上高が107億34百万円、営業利益が11億87百万円、経常利益が12億24百万円、純利益が8億40百万円だった。営業利益率は11,1%、純利益立は7.8%となっている。

2期連続比較が可能な347社の業績

従業員総数は376.6万人

 2017/2018年9月中間期の連続で比較が可能なのは「ハードウェア製造」74社、「通信サービス」6社、「販売系」74社、「ネット系」95社、「受託系」94社の計343社だった。

 343社の売上高は54兆1,895億64百万円で△2.8%(単純集計353社では△2.5%)、営業利益は6兆0,636億08百万円で△15.1%(同15.3%)、経常利益は6兆5,368億35百万円で△31.3%(同△31.5%)、純利益は5兆3,326億23百万円で△79.4%(同79.7%)、連結ベースの就業員数は△0.9%の372万1,886人だった。営業利益率は11.2%、準利益率は9.8%だった。

 これをもとに就業員1人当たり業績を計算すると、売上高は1456.0万円で△1.9%、営業利益は162.9万円で△14.1%、経常利益は175.6万円で△30.1%、純利益は143.3万円で△77.8%となる。

東芝を除く純利益率は8.1%

 ただし今9月中間期業績では東芝の純利益が例外的に突出しており、その数値を含めて算出した経年推移は結果として異常値となる。

 そこで東芝を除いた346社で前年同期比を計算すると、売上高は△4.5%、営業利益は△20.3%、経常利益は△37.4%、純利益は△40.6%、就業員総数は△1.2%、営業利益率は11.5%、純利益率は8.1%となる。

就業者1人当たりで比較する

 企業単位の業績比較とは別に、本調査では一貫して「就業者1人当たり」を算出している。ICT産業では「質より量」が先行する傾向が強く、売上高の増加=就業者の増加、利益の増加=人件費の抑制に結びつきやすい。就業者1人当たり業績の前年同期増減率が、実質的な景況を示すとともに、労働分配率の推移を観察する材料になる。

 「ハードウェア製造」は就業者数285.8万人で△0.7%(東芝を除くと272.6万人で△1.0%) 、1人当たり売上高は1291.4万円で△1.4%(同1288.9万円で△2.9%)、営業利益は95.5万円で△4.4%(99.9万円で△14.0%)、経常利益は110.1万円で△8.6%(112.9万円で△16.1%)、純利益は94.4万円で△94.4%(77.7万円で△23.7%)だった。

営業利益 通信サービスと受託サービスの差は22倍超

 以下は表の通りで、売上高が高かったのは通信サービス>ネットサービス>製品販売>ハードウェア製造>受託サービスの順、営業利益は通信サービス>製品販売>ネットサービス>ハードウェア製造>受託サービスの順だった。営業利益トップの通信サービス(1291.4万円)と最下位の受託サービス(58.0万円)とでは22.2倍の開きがある。

 売上高の前年同期増減率は、ネットサ-ビス>受託サービス>製品販売>通信サービス>ハードウェア製造の順、営業利益の増減率は通信サービス>ハードウェア製造(東芝を除く)>受託サービス>精神販売>ネットサービスの順だった。

 

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