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IT産業調査室

IT/ICT産業の業績や就労環境などを調査し分析しています

株式公開IT関連企業(3月期)「受託系」91社の2018年度売上高は実質4.7%増

5月20日、株式を公開している3月期受託系ITサービス業91社の2018年度(2019年3月期)決算が出そろった。

【集計企業数の増減】

2018年3月期の96社から1社増え、5社減少した。

▶︎新規上場 ギークス(上場市場マザーズ:証券番号7060:上場日:2019年3月20日)の1社だった。

▶︎上場廃止 ベリサーブ(東京1部:3724)、JIEC(東証2部:4291)がSCSKの完全子会社となり上場を廃止した。

▶︎業態変化 ソフトバンク・テクノロジー東証1部:4726)をネット系に移動、ITbookホールディングス(マザーズ:3742)、ストライダース(JASDAQスタンダード:9816)を除外した。

【91社の業績】

売上高は6兆7,847億55百万円で、単純集計の前年同期比増減率は3.3%だった。2期連続比較が可能な91社で補正すると、伸び率は4.7%となる。総就業者数が2018年3月末現在の40万4,193人から1万5810人増えて42万0,003人(正規雇用33万6,433人、非正規雇用8万3,570人)となっており、就業者1人当たり売上高は1615.4万円で、実質伸び率は0.7%だった。

本業の利益を示す営業利益は5,777億26百万円で13.1%増(補正値)、売上高に対する営業利益の割合は8.5%で2017年度の7.8%から0.7ポイント上昇した。就業者1人当たり営業利益は137.6万で、実質伸び率は10.0%だった。

営業外収入を含む経常利益は5,867億57百万円で前年同期比(補正値)は15.0%増だった。就業者1人当たり経常利益は139.7万円で、実質伸び率は10.7%だった。

当期純利益は3,857億40百万円で15.7%増、純利益率は5.7%で2017年度から0.6ポイント上昇した。就業者1人当たり純利益は91.8万円で、実質伸び率は11.3%だった。 

【業態別の業績】

91社の業態別内訳は、ソフトウェア開発業59社(業務系ソフト開発業48社、組込み系ソフト開発業11社)、計算処理・複合サービス21社、運用管理サービス6社、コールセンターその他5社となっている。

▶︎ソフトウェア開発業:59社

売上高は9,444億14百万円で、前年同期比増減率は7.3%増だった。就業者1人当たり売上高は1,578.9万円で、実質伸び率は3.1%増だった。営業利益は834億22百万円で18.1%増、売上高に対する営業利益の割合は8.8%で2017年度から0.8ポイント上昇した。就業者1人当たり営業利益は139.5万で、実質伸び率は13.5%だった。経常利益は854億09百万円で17.3%増だった。就業者1人当たり経常利益は142.8万円で、実質伸び率は12.6%だった。当期純利益は560億32百万円で26.9%増、純利益率は5.9%で2017年度から0.9ポイント上昇した。就業者1人当たり純利益は93.7万円で、実質伸び率は21.9%だった。 

このうち業務系ソフト開発業48社の売上高は7.2%増の8,533億65百万円(1人当たり1,642.4万円、3.2%増)、営業利益は17.0%増の759億88百万円(営業利益率8.9%、1人当たり146.3万、12.7%増)、経常利益は16.6%増の778億18百万円(1人当たり149.8万円、12.2%増)、当期純利益は25.3%増の511億56百万円(純利益率6.0%、1人当たり98.5万円、20.7%増)だった。 

組込み系ソフト開発業11社の売上高は8.3%増の910億49百万円(1人当たり1158.7万円、2.4%増)、営業利益は17.0%増の759億88百万円(営業利益率8.9%、1人当たり94.6万、23.0%増)、経常利益は25.0%増の75億91百万円(1人当たり経常利益96.6万円、18.1%増)、当期純利益は46.6%増の48億76百万円(純利益率5.4%(1人当たり62.1万円、38.3%増)だった。

▶︎計算処理・複合サービス業:21社

売上高は4.0%増の4兆9,201億89百万円だった。1人当たりは2,081.7万円で0.8%増だった。営業利益は4,462億39百万円で14.4%増、営業利益率は9.1%だった。1人当たりは188.8万で10.9%増だった。経常利益は4,524億97百万円で14.1%増だった。1人当たりは191.5万円で10.6%増だった。当期純利益は3,066億10百万円で15.3%増、純利益率は6.2%だった。1人当たりは129.7万円で11.8%増だった。 

▶︎運用管理サービス業:6社

売上高は5.0%増の4,322億63百万円だった。1人当たりは1,533.7万円で4.6%増だった。営業利益は12.9%増の294億90百万円、営業利益率は3.6%だった。1人当たりは104.6万で12.5%増だった。経常利益は35.3%増の299億01百万円だった。1人当たりは106.1万円で14.0%増だった。当期純利益は17.0%増の207億78百万円、純利益率は4.8%だった。1人当たりは73.7万円で16.6%増だった。 

▶︎コールセンター業・その他:5社

売上高は6.5%増の4,879億05百万円だった。1人当たりは510.1万円で0.3%減だった。営業利益は1.2%増の185億75百万円、営業利益率が3.8%だった。1人当たりは19.4万で5.3%減だった。経常利益は35.3%増の189億50百万円だった。1人当たりは19.8万円で21.7%増だった。当期純利益は59.5%減の23億20百万円、純利益率は0.5%だった。1人当たりは2.4万円で62.1%減だった。 

(注)2019年3月末現在の就業者数は有価証券報告書が出そろう7月に集計し、1人当たり業績を再掲する。