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IT産業調査室

IT/ICT産業の業績や就労環境などを調査し分析しています

株式公開IT関連企業(3月期)2019年度中間業績【人月モデル】 3半期連続で堅調

これまでの「受託」を、今調査から「人月」に、契約形態としての「受託」は「B2B」と改めます。またIT予算の8割が既存システムの保守運用に費やされている実情に鑑み、「ソフトウェア受託開発」を「業務ソフトウェア」に、「組み込みソフト開発」を「エンベデッド」に、それぞれ改めることにしました。

人月サービス92社は、「業務ソフトウェア」47社、「エンベデッド」11社、「システム運用管理」5社、「複合サービス」22社、「コールセンター」4社、「技術サービス」3社で構成されます。「技術サービス」はセキュリティ監視やプログラム・テストなど、単独の項目を設定できない「その他」を集約したものです。

92社の売上高は3兆4,532億57百万円で、前年同期比は9.3%増でした。営業利益は2,882億29百万円(営業利益率8.3%)で20.8%増、経常利益は2,932億23百万円で14.4%増、純利益は2,047億22百万円(純利益率5.9%)で22.4%増でした。

就業者数は2.4%増の43万0,724人でした。内訳は正規雇用が3.0%増の34万7,039人、非正規雇用が8万3,685人(非正規雇用率19.4%)でした。

就業者1人当たりの売上高は6.0%増の801.7万円、営業利益は18.0%増の66.9万円、経常利益は11.7%増の68.1万円、純利益は19.5%増の47.5万円となっています。

1人当たり売上高の前年同期比について2018年度上期、同下期、2019年度上期の3半期の推移を見ると、▲1.1%→△1.3%→△6.0%となっています。また営業利益率は7.5%→9.4%→8.3%となっており、堅調な推移が読み取れます。 

業務ソフト 1人当たりは減益

 業務ソフト47社の売上高は4,263億04百万円で前年同期比は10.2%増でした。営業利益は14.6%増の366億84百万円(営業利益率8.6%)、経常利益は12.0%増の372億59百万円、純利益は0.1%増の212億42百万円(純利益率5.0%)となっています。

就業者数は3.8%増の5万2,155人でした。内訳は正規雇用が4万8,749人、非正規雇用が3,406人となっています。

就業者1人当たりの売上高は6.1%増の817.4万円、営業利益は10.4%増の70.3万円、経常利益は7.9%増の71.4万円、純利益は3.5%減の40.7万円でした。

エンベデッド 2半期連続で減収

エンベデッド11社の売上高は485億19百万円で前年同期比は0.4%減でした。営業利益は11.9%増の40億10百万円(営業利益率8.3%)、経常利益は9.2%増の39億78百万円、純利益は14.7%増の27億54百万円(純利益率5.7%)となっています。

就業者数は3.0%増の8,285人でした。内訳は正規雇用が8,040人、非正規雇用が245人となっています。

就業者1人当たりの売上高は3.3%減の585.6万円、営業利益は8.6%増の48.4万円、経常利益は6.1%増の48.0万円、純利益は11.3%増の33.2万円でした。売上高が前年同期を下回ったのは2018年度下期から2半期連続となります。

FMSは3半期ぶりの増収

客先常駐型システム運用保守(FMS)5社の売上高は2,031億42百万円で前年同期比は8.7%増でした。営業利益は27.3%増の115億08百万円(営業利益率5.7%)、経常利益は22.6%増の115億20百万円、純利益は23.4%増の75億83百万円(純利益率3.7%)となっています。

就業者数は増減ナシの2万4,649人でした。内訳は正規雇用が2万1,003人、非正規雇用が3646人となっています。

就業者1人当たりの売上高は8.7%増の824.1万円、営業利益は27.3%増の46.7万円、経常利益は22.7増の46.7万円、純利益は23.4%増の30.8万円でした。3半期ぶりに売上高の前年同期比がプラスに転じました。

複合サービス 1人当たり1千万円超す

「複合サービス」は情報処理(受託計算)サービスを祖業として、ソフトウェア、ネットワーク、システム運用保守、機器販売、データセンター、クラウドサービスなどを多角的に展開している企業を指しています。資本系列の関係から、システム構築・運用の受発注で上位に位置付けられるケースが多いのが特徴です。

売上高は2兆5,041億31百万円で前年同期比は8.2%増でした。営業利益は20.0%増の2,236億80百万円(営業利益率8.9%)、経常利益は13.1%増の2,282億27百万円、純利益は28.4%増の1,650億46百万円(純利益率6.6%)となっています。

就業者数は2.6%増の24万2,697人でした。内訳は正規雇用が21万8,319人、非正規雇用が2万4,378人となっています。

就業者1人当たりの売上高は5.4%増の1,031.6万円、営業利益は16.9%増の92.2万円、経常利益は10.2増の94.0万円、純利益は25.2%増の68.0万円でした。上期の1人当たり売上高が1千万円を超えたのは2016年度上期以来となります。

コールセンター/その他技術サービス

コールセンター4社の売上高は前年同期比10.7%増の2398億30百万円でした。営業利益は91.6%増の116億80百万円(営業利益率4.9%)、経常利益は68.7%増の115億21百万円、純利益は77億01百万円(純利益率3.2%)となっています。

就業者数は1.7%増の9万6,039人でした。内訳は正規雇用が4万7,514人、非正規雇用が4万8525人(非正規雇用率50.5%)となっています。

就業者1人当たりの売上高は8.9%増の249.7万円、営業利益は88.4%増の12.2万円、経常利益は65.9%増の12.0万円、純利益は7.3%減の8.0万円でした。1人当たりの数値が低いのは、パート/アルバイトを多用しているためと考えられます。

 「その他」技術サービス3社の売上高は、前年同期比9.3%増の313億31百万円でした。営業利益は53.6%減の6億67百万円(営業利益率2.1%)、経常利益は48.9%減の7億18百万円、純利益は53.7%減の3億96百万円(純利益率1.3%)となっています。

就業者数は2.2%増の6,899人でした。内訳は正規雇用が4,414人、非正規雇用が3,485人となっています。

就業者1人当たりの売上高は6.9%増の454.1万円、営業利益は54.6%減の9.7万円、経常利益は50.0%減の10.4万円、純利益は54.7%減の5.7万円でした。