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IT産業調査室

IT/ICT産業の業績や就労環境などを調査し分析しています

グラフは語る(4-5) 旧来型受託サービス234社(ソフト/サービス621社のうち)

▶️集計234社について

 234社には4-3で取り上げたマンパワー依存型受託サービス業も含んでいます。データが一部重複していることをご承知おきください。

 ここでいう「旧来型」はEDP(電子計算機によるデータ処理)時代から本格的なインターネット時代に入るまで(おおむね1960年から2000年まで)、約40年間をリードした情報処理サービス業を意味しています。

 一部は業態転換を図ったりインターネット/Webに対応したサービスモデルに移行していますが、事業のベースに20世紀型のビジネスモデルを引きずっているケースが少なくありません。しばしば問題点が指摘されるIT多重受発注(多重下請け)構造を抱えた業態(あえて分かりやすく表現すればJISA系)と言うことができます。

 ただし、一昨年を境に主業務として標榜するようになった小カテゴリー「SES」「A Iカスタマイズ」「Webアプリケーション受託開発」を含みます。

▶️集計カテゴリーと企業数

中カテゴリーは次のようになっています

  ・情報処理系SIer       29社

  ・ソフトウエア受託開発     155社

  ・マンパワー依存型受託サービス  50社

※情報処理系SIerは、これまで「複合サービス」としてきた企業群です。意味が形骸化(ないし変質)している「SI」「SIer」を使うことに抵抗がありますが、旧計算センター系情報サービス会社は地域における受注窓口であり一次請け的な立ち位置にあることも考慮し、分かりやすさを優先しました。

 

 従業員数の伸びと売上高の増加が同期しています。仕事が増える→人を増やす→人が増えた分だけ売上高が増えるという構造が鮮明に出ています。

 従業員1人あたりの生産性が上がっていれば、人の増加率以上に売上高が増えるわけですが、2014年から2022年まで、生産性は向上していません。からくも2023年に従業員の伸びを売上高が上回ったので、来期(2024年)の動向が注目されます。

 1人あたり売上高は2016年から2024年まで7年間、潜水艦(2013年水準以下)の状態でした。2023年にようやく浮上しましたが、やっと2015年の水準に戻った状態です。

 営業利益率は2018年まで2013年水準で推移していましたが、2022年に10.8%と調査開始以来の最高値を記録、2023年も10.2%でした。これまでに発表されている2024年上期業績も同様の傾向を示しているので、3期連続で10%台を維持する可能性が出てきました。